睡眠・覚醒のパターンを記録する睡眠日誌(睡眠表)の記載が最も有用なのはどれか。
- 原発性不眠症
- ナルコレプシー
- 睡眠相後退症候群
- レム睡眠行動障害
- 閉塞性睡眠時無呼吸障害
解答解説
正解は3. 睡眠相後退症候群です。
睡眠相後退症候群は、概日リズム睡眠障害の一つで、睡眠時間が後方にずれ、夜遅く寝て昼近くに起きる生活パターンが特徴です。睡眠日誌(睡眠表)は、実際の睡眠・覚醒リズムを把握するのに非常に有用で、診断や治療方針の決定に役立ちます。
各選択肢の解説
- 原発性不眠症
原発性不眠症の評価には、主観的な睡眠困難や睡眠の質に関する情報が重要ですが、睡眠表よりも、より詳細な客観的評価(ポリソムノグラフィなど)が求められることが多いです。この選択肢は誤りです。 - ナルコレプシー
ナルコレプシーは過眠症の一種で、日中の過度の眠気が特徴です。多くの場合、睡眠表よりも睡眠潜時反復検査(MSLT)が診断に有用です。この選択肢は誤りです。 - 睡眠相後退症候群(正解)
睡眠相後退症候群では、日々の睡眠・覚醒のリズムを正確に記録することで、概日リズムの異常を明確に把握できます。睡眠表が診断や治療の指針に直接役立つため、正しい選択肢です。 - レム睡眠行動障害
レム睡眠行動障害では、レム睡眠中の異常行動(夢を伴う動作)が特徴です。ポリソムノグラフィで筋緊張の消失がないことを確認するのが重要で、睡眠表は補助的な役割に留まります。この選択肢は誤りです。 - 閉塞性睡眠時無呼吸障害
閉塞性睡眠時無呼吸障害は、睡眠中の気道閉塞による呼吸障害が特徴です。ポリソムノグラフィによる詳細な呼吸評価が診断の決め手となるため、睡眠表の有用性は限定的です。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
睡眠表(睡眠日誌)の適用が特に有用なのは概日リズム睡眠障害(例:睡眠相後退症候群、非24時間睡眠覚醒症候群)です。
- 内容:就寝・起床時刻、睡眠時間、日中の眠気などを記録。
- 目的:日常生活における睡眠パターンの把握。
その他の睡眠障害では、ポリソムノグラフィや睡眠潜時反復検査(MSLT)の方が診断に直結します。