深部腱反射について正しいのはどれか。
- 感覚入力はⅢ群求心性線維を介する。
- 運動出力はα運動神経を介する。
- 錘外筋線維が受容器となる。
- 反射閾値は一定である。
- 高齢者では亢進する。
解答解説
正解は2です。
深部腱反射は、感覚入力を受けて脊髄レベルでシナプスを介して発生する反射であり、運動出力はα運動神経を介して実現されます。これにより、錘外筋が収縮します。
各選択肢の解説
- 感覚入力はⅢ群求心性線維を介する。
深部腱反射の感覚入力は、筋紡錘からのⅠa群求心性線維を介して伝達されます。Ⅲ群求心性線維は主に温度や圧力などの刺激を伝える線維です。この選択肢は誤りです。 - 運動出力はα運動神経を介する。(正解)
正しい選択肢です。深部腱反射では、感覚入力を受けたシグナルが脊髄で直接α運動神経を介して錘外筋に伝わり、筋収縮が起こります。 - 錘外筋線維が受容器となる。
深部腱反射の受容器は筋紡錘であり、これは錘内筋線維に存在します。錘外筋線維は主に力を発生させる筋線維であり、受容器ではありません。この選択肢は誤りです。 - 反射閾値は一定である。
反射閾値は一定ではなく、中枢神経系からの抑制や亢進の影響を受けて変化します。この選択肢は誤りです。 - 高齢者では亢進する。
高齢者では、加齢による神経伝導速度の低下や筋力低下の影響で深部腱反射は低下することが一般的です。亢進するのは錐体路障害などがある場合です。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
深部腱反射の基本を理解するためのポイント:
- 感覚入力:Ⅰa群求心性線維(筋紡錘)。
- 運動出力:α運動神経(錘外筋の収縮を指令)。
- 受容器:筋紡錘(錘内筋線維)。
- 反射の変化は、中枢神経系や末梢神経系の病変、加齢の影響を受ける。
深部腱反射の評価は、神経学的疾患の診断において重要な指標となります。