第57回

第57回理学療法士国家試験 午後問題50

通所リハビリテーションで正しいのはどれか。

  1. 他の利用者との交流が少ない。
  2. 利用者は主に要介護認定を受けた高齢者である。
  3. 家族の身体的・精神的負担の軽減が主目的である。
  4. 利用者150名に対し1名の理学療法士の配置が必要である。
  5. 日常生活の自立を助けるために必要なリハビリテーションを行う。

解答解説

正解は5です。

通所リハビリテーション(デイケア)は、日常生活の自立を助けるためのリハビリテーションを提供する施設です。利用者の身体機能や認知機能の向上を目指し、理学療法士や作業療法士などの専門職がリハビリテーションを行います。

各選択肢の解説

  1. 他の利用者との交流が少ない。
    通所リハビリテーションでは、利用者同士の交流を促進する活動も行われます。他の利用者との交流は、社会参加の促進や精神的健康の維持にも寄与します。この選択肢は誤りです。
  2. 利用者は主に要介護認定を受けた高齢者である。
    通所リハビリテーションの利用者は、要介護認定を受けた高齢者が中心ですが、要支援者や特定の疾患を持つ人も対象となります。「主に」という表現が限定的であり、完全には正しくありません。この選択肢は誤りです。
  3. 家族の身体的・精神的負担の軽減が主目的である。
    家族の負担軽減も通所リハビリテーションの効果の一つですが、主目的は利用者自身のリハビリテーションによる自立支援です。この選択肢は誤りです。
  4. 利用者150名に対し1名の理学療法士の配置が必要である。
    利用者数に応じた配置基準はありますが、150名に対して1名という基準は存在しません。具体的な配置基準は利用者の規模や施設の条件により異なります。この選択肢は誤りです。
  5. 日常生活の自立を助けるために必要なリハビリテーションを行う。(正解)
    正しい選択肢です。通所リハビリテーションの目的は、利用者が可能な限り自立した生活を送るために必要なリハビリテーションを提供することです。身体機能の改善、認知機能の維持向上、日常生活活動(ADL)の支援が主な目的となります。

ワンポイントアドバイス

通所リハビリテーションは、利用者の自立支援とQOL(生活の質)の向上を主な目的としています。家族の負担軽減や社会交流の場としての役割も重要ですが、最優先は利用者自身の能力向上です。リハビリ内容や職員配置基準についても、正確な基準を把握しておくとよいでしょう。