第57回

第57回理学療法士国家試験 午後問題35

痛検査に用いるのはどれか。

  1. face scale
  2. GCS
  3. mRS
  4. MTS(Modified Tardieu Scale)
  5. NRS

解答解説

正解は1と5です。

痛みの評価に用いられる尺度には、患者が主観的に痛みを表現できる方法が採用されます。face scaleNRS(Numerical Rating Scale)は、痛みの強さを評価する際に広く用いられます。

各選択肢の解説

  1. face scale(正解)
    正しい選択肢です。face scale(顔スケール)は、特に子どもやコミュニケーションが難しい患者に用いられる痛み評価尺度です。表情を示すイラストを見せ、患者に該当する顔を選んでもらうことで痛みの強さを評価します。
  2. GCS
    GCS(Glasgow Coma Scale)は、意識レベルを評価するスケールです。開眼、言語応答、運動応答の3項目で構成され、痛みの評価には直接関係しません。この選択肢は誤りです。
  3. mRS
    mRS(Modified Rankin Scale)は、脳卒中後の障害の程度を評価するスケールです。患者の日常生活動作の自立度を6段階で評価するもので、痛みの評価には使用しません。この選択肢は誤りです。
  4. MTS(Modified Tardieu Scale)
    MTSは、痙縮を評価するスケールで、筋肉の張力や反射的な収縮の程度を測定します。痛みの評価には直接関係しません。この選択肢は誤りです。
  5. NRS(Numerical Rating Scale)(正解)
    正しい選択肢です。NRSは0(痛みなし)から10(最悪の痛み)の数値で痛みの強さを評価します。患者が数値で痛みを表現できる場合に適したスケールです。

ワンポイントアドバイス

痛みの評価は患者の主観的な感覚を測定するため、face scaleNRSのように患者が痛みをわかりやすく表現できる方法を選択します。一方で、意識レベル(GCS)や障害評価(mRS)、痙縮評価(MTS)は痛みの測定には使用しないため、各スケールの目的を区別して覚えておくことが重要です。