乳癌術後の上肢リンパ浮腫(病期分類Ⅱ期)の日常生活指導として適切なのはどれか。
- 水分摂取を制限する。
- 熱い温度で入浴をする。
- 患肢の皮膚の保湿をする。
- 患肢のむだ毛を処理する。
- 上腕を締め付けるような服を着る。
解答解説
正解は3です。
リンパ浮腫では皮膚のバリア機能が低下し、感染や外傷のリスクが高まるため、患肢の皮膚を保湿して皮膚の健康を保つことが非常に重要です。適切な保湿は皮膚の乾燥を防ぎ、炎症や細菌感染を予防します。
各選択肢の解説
- 水分摂取を制限する。
水分摂取を制限してもリンパ液の停滞に直接影響するわけではありません。むしろ適切な水分補給は、血液循環や代謝を促進し、健康維持に必要です。この選択肢は誤りです。 - 熱い温度で入浴をする。
熱い温度での入浴は、患肢の血管拡張を引き起こし、リンパ液のうっ滞を悪化させる可能性があります。ぬるめの温度で短時間の入浴が推奨されます。この選択肢は誤りです。 - 患肢の皮膚の保湿をする。(正解)
正しい選択肢です。保湿剤を用いて皮膚を保湿することで、感染や皮膚の亀裂を防ぐことができます。皮膚トラブルの予防はリンパ浮腫管理において非常に重要です。 - 患肢のむだ毛を処理する。
むだ毛処理は皮膚に微小な傷を生じるリスクがあり、感染を引き起こす可能性があります。むだ毛処理は避けるか、安全な方法で行うべきです。この選択肢は誤りです。 - 上腕を締め付けるような服を着る。
患肢を締め付ける服装は、リンパ液の流れを妨げ、浮腫を悪化させる可能性があります。緩やかで快適な服装を選ぶべきです。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
リンパ浮腫の管理では、皮膚の保護と感染予防が最も重要です。保湿や清潔を保つケア、適切な圧迫療法(弾性スリーブの着用)を取り入れ、日常生活では患肢を圧迫しない服装や適度な運動を心がけましょう。