第57回

第57回理学療法士国家試験 午前問題84

前骨間神経麻痺と後骨間神経麻痺に共通するのはどれか。

  1. 感覚は正常である。
  2. 尺骨神経の分枝である。
  3. 肘部管のTinel徴候が陽性である。
  4. 中・環・小指の伸展動作が困難である。
  5. 母指と示指のつまみ動作が困難である。

解答解説

正解は1. 感覚は正常であるです。

前骨間神経後骨間神経も運動枝のみを持つ神経であり、感覚障害は生じません。そのため、「感覚は正常である」が両者に共通する特徴となります。

各選択肢の解説

  1. 感覚は正常である。(正解)
    前骨間神経と後骨間神経は、いずれも純運動性の神経であり、感覚を支配しません。両者に共通する正しい特徴です。
  2. 尺骨神経の分枝である。
    前骨間神経と後骨間神経は、いずれも正中神経橈骨神経の分枝です。尺骨神経とは関係ありません。この選択肢は誤りです。
  3. 肘部管のTinel徴候が陽性である。
    肘部管症候群(尺骨神経麻痺)に関連するTinel徴候は、前骨間神経や後骨間神経麻痺には該当しません。この選択肢は誤りです。
  4. 中・環・小指の伸展動作が困難である。
    後骨間神経麻痺では中指・環指・小指の伸展が困難となりますが、前骨間神経麻痺ではこの症状は見られません。この選択肢は誤りです。
  5. 母指と示指のつまみ動作が困難である。
    母指と示指のつまみ動作困難は前骨間神経麻痺の特徴であり、後骨間神経麻痺には該当しません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

  • 前骨間神経麻痺(正中神経の分枝)
    • 純運動性。母指長屈筋、示指深屈筋、方形回内筋が障害される。
    • 「母指と示指のOKサインが困難」。
  • 後骨間神経麻痺(橈骨神経の分枝)
    • 純運動性。手指伸筋、長母指外転筋、短母指伸筋などが障害される。
    • 「手指の伸展が困難」。

両者に感覚障害がないことを覚えておくと試験対策に役立ちます。