脳卒中片麻痺の理学療法で正しいのはどれか。
- 装具は機能回復を阻害する。
- CPMは下肢の分離運動を促通する。
- 立位練習は装具が完成してから開始する。
- トレッドミル歩行練習で歩行速度が向上する。
- 歩行練習は座位保持が可能になってから開始する。
解答解説
正解は4です。
トレッドミル歩行練習は、歩行速度や歩行パターンの改善に有効であると多くの研究で示されています。体重免荷装置を使用すれば、歩行中の安定性を保ちながら、安全に練習を行うことができます。トレッドミルの設定によって、患者の能力に合わせた速度や負荷を調整することが可能です。
各選択肢の解説
- 装具は機能回復を阻害する。
装具は、麻痺側の下肢を安定させ、適切な歩行パターンを促すために用いられます。機能回復を支援するものであり、阻害するものではありません。この選択肢は誤りです。 - CPMは下肢の分離運動を促通する。
CPM(Continuous Passive Motion:持続的他動運動)は、関節可動域の維持や拘縮予防を目的とする機器であり、下肢の分離運動(麻痺側の随意運動を分離して行う運動)を直接促通するものではありません。この選択肢は誤りです。 - 立位練習は装具が完成してから開始する。
立位練習は、装具が完成する前でも行うべきです。適切な介助や補助具を用いれば、早期から立位練習を開始でき、機能回復が促進されます。この選択肢は誤りです。 - トレッドミル歩行練習で歩行速度が向上する。(正解)
正しい選択肢です。トレッドミル歩行練習は、一定の速度で歩行を繰り返すことで歩行速度を向上させる効果があります。体重免荷装置を併用すると、より安全に効果的な練習が可能です。 - 歩行練習は座位保持が可能になってから開始する。
座位保持が難しい患者でも、適切な支援を用いれば歩行練習を開始できます。座位保持の能力が条件となるわけではありません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
脳卒中片麻痺のリハビリでは、早期からの活動的なリハビリテーションが機能回復に重要です。歩行練習では、トレッドミルや体重免荷装置を活用して安全性を確保しながら、歩行速度や歩行能力の改善を図ります。適切な装具や補助具の使用は、回復を促進する重要な要素です。