第57回

第57回理学療法士国家試験 午後問題38

新型コロナウイルスbCOVID-19sによる肺炎後の患者に呼吸機能検査を行ったと
ころ、努力性肺活量は5.00 Lで、秒率は80 %であった。
年齢、性別、体格をもとに計算した秒量の予測値が3.46 Lであるとき、%一秒量(%FEV₁)で正しいのはどれか。

  1. 76 %
  2. 86 %
  3. 96 %
  4. 106 %
  5. 116 %

解答解説

正解は5です。

%一秒量(%FEV₁)は、年齢、性別、体格を基準とした予測値に対する実測値の割合を示します。この問題では、以下の計算式を用います:

%FEV₁ = (実測一秒量 ÷ 一秒量予測値)× 100

与えられたデータ:

  • 努力性肺活量(FVC) = 5.00 L
  • 一秒率(FEV₁/FVC) = 80 %
  • 一秒量予測値 = 3.46 L

各選択肢の解説

  1. 76 %
    一秒量の実測値が大幅に予測値を下回る場合の値です。この問題のデータとは一致しません。この選択肢は誤りです。
  2. 86 %
    予測値よりもやや低い一秒量の場合の値です。この問題の条件では、実測値が予測値を上回っているため誤りです。
  3. 96 %
    実測値がほぼ予測値と同程度の場合の値ですが、この問題では実測値が予測値よりも高いため誤りです。
  4. 106 %
    実測値が予測値を10 %程度上回る場合の値です。しかし、この問題では116 %の結果となるため誤りです。
  5. 116 %(正解)
    正しい選択肢です。計算の結果、%FEV₁が116 %であることが確認できます。

ワンポイントアドバイス

%FEV₁は、呼吸機能の評価において、予測値との比較から患者の呼吸能力を把握するために重要です。この値が予測値を大きく上回る場合、測定条件や努力の程度を考慮する必要があります。また、%FEV₁を正確に理解するためには、一秒量(FEV₁)と努力性肺活量(FVC)の関係をしっかり押さえましょう。