熱傷について正しいのはどれか。
- Ⅰ度熱傷では水疱がみられる。
- Ⅲ度熱傷では創底から上皮化が起こる。
- 深達性Ⅱ度熱傷では痛覚鈍麻がみられる。
- 浅達性Ⅱ度熱傷では水疱底は蒼白である。
- 熱傷面積はⅠ、Ⅱ、Ⅲ度すべての面積を合わせて計算する。
解答解説
正解は3です。
熱傷の深度と特徴は、治癒の過程や治療方針を決定する上で重要です。深達性Ⅱ度熱傷では皮膚の真皮深層にまで損傷が及び、痛覚鈍麻がみられることが特徴です。
各選択肢の解説
- Ⅰ度熱傷では水疱がみられる。
Ⅰ度熱傷は表皮のみが損傷を受けるもので、主な症状は紅斑や疼痛であり、水疱は形成されません。この選択肢は誤りです。 - Ⅲ度熱傷では創底から上皮化が起こる。
Ⅲ度熱傷では真皮全層および皮下組織が壊死するため、上皮化による自然治癒は期待できず、植皮が必要となる場合がほとんどです。この選択肢は誤りです。 - 深達性Ⅱ度熱傷では痛覚鈍麻がみられる。(正解)
正しい選択肢です。深達性Ⅱ度熱傷では、真皮深層まで損傷が及ぶため、痛覚が鈍くなります。一方、浅達性Ⅱ度熱傷では痛覚が強いことが特徴です。 - 浅達性Ⅱ度熱傷では水疱底は蒼白である。
浅達性Ⅱ度熱傷では、水疱底は赤色で血流が保たれています。蒼白になるのは血流が減少した深達性Ⅱ度熱傷の特徴です。この選択肢は誤りです。 - 熱傷面積はⅠ、Ⅱ、Ⅲ度すべての面積を合わせて計算する。
熱傷面積は、Ⅱ度(浅達性・深達性)とⅢ度の熱傷面積を合わせて計算します。Ⅰ度は熱傷面積に含みません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
熱傷の深さと特徴を正しく理解するためのポイント:
- Ⅰ度:表皮のみ損傷、紅斑や疼痛。
- 浅達性Ⅱ度:真皮浅層まで損傷、水疱形成、痛覚は強い。
- 深達性Ⅱ度:真皮深層まで損傷、痛覚鈍麻、水疱底は蒼白。
- Ⅲ度:真皮全層および皮下組織まで損傷、無痛、植皮が必要。
熱傷面積の計算や深度の評価は、治療方針を決定する上で重要な基準となります。