Parkinson病の評価で適切なのはどれか。
- Beevor徴候
- Finkelstein test
- MAS
- SARA
- Westphal現象
解答解説
正解は5です。
Westphal現象は、パーキンソン病における特徴的な所見の一つです。これは膝蓋腱反射の際に筋緊張が高いため反射が遅延または消失する現象を指します。錐体外路障害でみられる固縮(筋の緊張の高さ)が関与しています。
各選択肢の解説
- Beevor徴候
Beevor徴候は、腹直筋の上部と下部の筋力差によって臍が片側に引き寄せられる現象で、主に脊髄損傷や筋疾患で見られる所見です。パーキンソン病の評価とは関連がありません。この選択肢は誤りです。 - Finkelstein test
Finkelstein testは、手首の腱鞘炎(特にドケルバン病)を評価するテストです。母指を握り込んで手関節を尺屈させることで痛みを誘発しますが、パーキンソン病の評価とは無関係です。この選択肢は誤りです。 - MAS
MAS(Modified Ashworth Scale)は、筋緊張を評価するためのスケールで、痙縮(痙性麻痺)がある場合に用います。パーキンソン病では固縮(痙縮とは異なる筋緊張の異常)が主な症状であるため、MASは適切な評価法ではありません。この選択肢は誤りです。 - SARA
SARA(Scale for the Assessment and Rating of Ataxia)は運動失調の評価スケールであり、小脳障害がある場合に使用します。パーキンソン病には運動失調は一般的ではないため、この選択肢は誤りです。 - Westphal現象(正解)
正しい選択肢です。Westphal現象は、パーキンソン病に関連する錐体外路症状の評価として重要です。筋固縮や反射の低下を通じてパーキンソン病の病態を理解する一助となります。
ワンポイントアドバイス
パーキンソン病では固縮(rigidity)が特徴で、痙縮(spasticity)や運動失調とは異なる運動異常が見られます。また、錐体外路症状や自律神経症状など多面的な評価が必要です。Westphal現象は、筋固縮や反射異常の評価において有用な所見として覚えておきましょう。