Danielsらの徒手筋力テストによる手指筋のテストで正しいのはどれか。
解答解説
正解は2と5です。
短母指屈筋(2)と母指内転筋(5)のテスト方法は徒手筋力テストの基本的な原則に従った適切な方法です。それぞれの筋肉の働きを確認しながら抵抗を加え、筋力を評価しています。
各選択肢の解説
- 浅指屈筋
この画像では浅指屈筋の正しい筋力テスト方法が反映されていません。通常、浅指屈筋を評価する際には、PIP関節(近位指節間関節)の屈曲を確認し、それ以外の指の動きを固定する必要があります。この図では十分な固定がなされておらず、他の筋群の影響を受けやすい方法です。 - 短母指屈筋(正解)
正しいテスト方法です。短母指屈筋は母指のMP関節を屈曲させる筋肉であり、図のように母指のMP関節を屈曲させる動作に対し、抵抗を加えることで筋力を評価します。この方法は、短母指屈筋の正確な動きを確認できる適切な手技といえます。 - 虫様筋
虫様筋の主な働きはMP関節の屈曲とIP関節の伸展です。この図ではIP関節の動きが考慮されておらず、正確な虫様筋のテスト方法ではありません。虫様筋を評価する際には、代償動作を防ぎ、IP関節が伸展できているか確認する必要があります。 - 背側骨間筋
背側骨間筋の主な機能は指を外転させることです。しかし、この図では手の回外・回内を評価しているように見え、背側骨間筋の機能を適切に評価できていません。外転動作に注目した正確な評価が必要です。 - 母指内転筋(正解)
正しいテスト方法です。母指内転筋は母指を手掌面の中央に向かって内転させる筋です。この図では、母指を内転させる動きに対し抵抗を加えることで筋力を評価しています。これは徒手筋力テストとして適切な方法です。
ワンポイントアドバイス
徒手筋力テストを行う際には、評価対象の筋肉が他の筋群に頼らないようにするための適切な固定が重要です。また、動作の方向や抵抗の加え方を解剖学的に正確に設定することで、筋力評価の精度が向上します。