頸髄損傷者の起き上がり動作を図に示す。Zancolliの四肢麻痺上肢機能分類における最も上位の機能残存レベルはどれか。
- C5A
- C5B
- C6A
- C6BⅡ
- C7A
解答解説
正解は4. C6BⅡです。
Zancolliの四肢麻痺上肢機能分類では、C6BⅡは肘関節の伸展が代償的に可能であり、三角筋や上腕二頭筋、手関節背屈筋(橈骨手根伸筋)の機能を利用して、上肢を活用しながら起き上がり動作が行えるレベルです。この図では、肘伸展が補助的に活用されているため、C6BⅡが該当します。
各選択肢の解説
- C5A
この選択肢は誤りです。C5Aは三角筋と上腕二頭筋が使用可能ですが、手関節の背屈(橈骨手根伸筋)の機能はないため、図のような肘を活用した起き上がり動作はできません。 - C5B
この選択肢は誤りです。C5BではC5Aに加え、三角筋と上腕二頭筋がより強く機能しますが、やはり手関節の背屈ができないため、肘を活用した動作は難しいです。 - C6A
この選択肢は誤りです。C6Aでは橈骨手根伸筋が機能し、手関節の背屈が可能になりますが、肘の伸展代償が十分でないため、図のような動作は困難です。 - C6BⅡ
この選択肢が正解です。C6BⅡでは、橈骨手根伸筋による手関節背屈と、上腕二頭筋などを活用して肘伸展を代償的に行い、図のような起き上がり動作が可能です。 - C7A
この選択肢は誤りです。C7Aでは上腕三頭筋が機能し、実際の肘伸展が可能です。図は肘伸展を代償的に行っている状態を示しているため、C7Aではありません。
ワンポイントアドバイス
Zancolliの分類では、機能残存レベルを筋の残存機能で判断します。C6BⅡは肘伸展が代償的に可能で、手関節背屈(橈骨手根伸筋)を利用できる点が特徴です。肘伸展の代償動作が見られるかどうかがC6とC7の判別のポイントです。