食道癌について正しいのはどれか。
- 女性に多い。
- 腺癌が90 %を占める。
- リンパ行性転移は稀である。
- 飲酒・喫煙は発症に関与する。
- 中部食道よりも下部食道の発症率が高い。
解答解説
正解は4. 飲酒・喫煙は発症に関与するです。
食道癌の主要なリスク因子には、飲酒と喫煙が挙げられます。特にアルコール代謝に関与する酵素(ALDH2)に変異がある人では、飲酒による発症リスクがさらに高まります。
各選択肢の解説
- 女性に多い。
食道癌は男性に多くみられ、男女比は約5:1とされています。この選択肢は誤りです。 - 腺癌が90 %を占める。
日本における食道癌の約90%は扁平上皮癌です。腺癌は稀で、主にバレット食道が原因となる下部食道に発生します。この選択肢は誤りです。 - リンパ行性転移は稀である。
食道癌は早期からリンパ行性転移を起こしやすい疾患です。この選択肢は誤りです。 - 飲酒・喫煙は発症に関与する。(正解)
飲酒(特に強い酒)と喫煙は、食道癌の発症リスクを高める主要因子です。また、飲酒と喫煙を併用することでリスクは相乗的に増加します。この選択肢は正しいです。 - 中部食道よりも下部食道の発症率が高い。
日本では食道癌は中部食道に最も多く発生します。欧米では下部食道の腺癌が増加傾向にありますが、日本では少数です。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
食道癌のポイント
- リスク因子:飲酒、喫煙、熱い飲食物、ALDH2遺伝子変異、バレット食道(腺癌の原因)。
- 病理分類:扁平上皮癌が大多数。
- 転移:早期にリンパ節転移が見られるため、注意が必要。
- 発生部位:中部食道が最多。
リスク因子や病理、部位ごとの違いを覚えることで、試験や臨床で役立ちます。