後頭葉の血流量低下が特徴的なのはどれか。
- HIV認知症
- 血管性認知症
- 前頭側頭型認知症
- Lewy小体型認知症
- Alzheimer型認知症
解答解説
正解は4. Lewy小体型認知症です。
Lewy小体型認知症(DLB)では、後頭葉の血流量低下が特徴的です。SPECTやPETで脳の血流・代謝状態を調べると、後頭葉での低下が明確に見られることが多く、この所見はDLBの診断において重要な手がかりとなります。
各選択肢の解説
- HIV認知症
HIV関連認知症では大脳皮質全体や深部白質での変性が特徴ですが、特定の部位に血流低下が集中することはありません。この選択肢は誤りです。 - 血管性認知症
血管性認知症では脳血管の病変に応じた局所的な血流低下が見られますが、後頭葉が特に低下するわけではありません。この選択肢は誤りです。 - 前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症(FTD)では、その名の通り前頭葉や側頭葉の血流や代謝が低下します。後頭葉の血流低下は特徴的ではありません。この選択肢は誤りです。 - Lewy小体型認知症(正解)
Lewy小体型認知症では、後頭葉の血流低下が特徴的に認められます。視覚認知障害や幻視がこの部位の機能低下に関連していると考えられています。この選択肢は正しいです。 - Alzheimer型認知症
Alzheimer型認知症では、初期に側頭葉内側(海馬)や頭頂葉の血流低下が顕著です。後頭葉の血流低下は目立ちません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
認知症と血流低下部位の関連を整理しましょう:
- Lewy小体型認知症:後頭葉の血流低下が特徴。幻視や視覚認知障害が出現。
- Alzheimer型認知症:側頭葉内側(海馬)や頭頂葉の血流低下が目立つ。記憶障害が主症状。
- 前頭側頭型認知症:前頭葉と側頭葉の血流低下。人格変化や行動異常が特徴。
これらの所見を覚えておくことで、診断の手助けとなります。