感染性心内膜炎が原因で生じやすいのはどれか。
- 脳塞栓症
- 心囊液貯留
- 下肢静脈血栓
- 僧帽弁狭窄症
- 循環血漿量減少性ショック
解答解説
正解は1. 脳塞栓症です。
感染性心内膜炎では、心内膜や弁に付着した菌塊(疣贅)が血流によって運ばれ、脳塞栓症やその他の臓器塞栓症を引き起こします。これが重大な合併症の一つです。
各選択肢の解説
- 脳塞栓症(正解)
感染性心内膜炎の代表的な合併症です。血流に乗った疣贅が脳血管を閉塞することで発症します。正しい選択肢です。 - 心囊液貯留
心囊液貯留は、心膜炎や心外膜の病変で見られることが多く、感染性心内膜炎では通常みられません。この選択肢は誤りです。 - 下肢静脈血栓
下肢静脈血栓は、静脈うっ滞や血液凝固亢進が原因となる疾患であり、感染性心内膜炎とは直接関連がありません。この選択肢は誤りです。 - 僧帽弁狭窄症
僧帽弁狭窄症は、リウマチ熱などによる弁硬化が主な原因であり、感染性心内膜炎によるものではありません。この選択肢は誤りです。 - 循環血漿量減少性ショック
循環血漿量減少性ショックは、出血や脱水などによる血漿量の減少で起こるもので、感染性心内膜炎の直接的な影響ではありません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
感染性心内膜炎の重要な特徴と合併症を整理しましょう:
- リスク因子:心臓弁膜症、先天性心疾患、人工弁、免疫抑制状態。
- 主な合併症:
- 塞栓症(脳塞栓症、腎梗塞、脾梗塞など)。
- 心不全(弁機能不全による)。
- 感染の全身拡散(敗血症、腎不全)。
早期診断と適切な抗菌薬治療が必要です。