第57回

第57回理学療法士国家試験 午前問題83

フレイルの指標とサルコペニアの評価で共通する項目はどれか。

  1. 握力低下
  2. 体重減少
  3. 歩行速度低下
  4. 主観的疲労感増大
  5. 日常生活活動減少

解答解説

正解は1. 握力低下3. 歩行速度低下です。

フレイルサルコペニアは、高齢者の身体機能低下を評価する概念ですが、評価項目に一部共通点があります。握力低下歩行速度低下は、どちらの評価でも重要な指標となっています。

各選択肢の解説

  1. 握力低下(正解)
    握力は筋力を測定する代表的な指標であり、フレイルとサルコペニアの両方で評価されます。正しい選択肢です。
  2. 体重減少
    体重減少はフレイルの指標の一つですが、サルコペニアの評価項目ではありません。筋量そのものの低下がサルコペニアの指標として重視されます。この選択肢は誤りです。
  3. 歩行速度低下(正解)
    歩行速度は身体機能の低下を示す重要な指標であり、フレイルとサルコペニアの両方で評価されます。正しい選択肢です。
  4. 主観的疲労感増大
    主観的疲労感はフレイルの指標に含まれる項目ですが、サルコペニアの評価項目には含まれません。この選択肢は誤りです。
  5. 日常生活活動減少
    日常生活活動(ADL)の減少はフレイルの指標として評価されることがありますが、サルコペニアの評価基準には含まれません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

フレイルとサルコペニアの違いを明確に理解しておきましょう:

  • フレイル:身体的、心理的、社会的な要素を含む広範な状態の低下。指標には「握力低下」「体重減少」「歩行速度低下」「疲労感」「活動量減少」など。
  • サルコペニア:筋肉量と筋力の低下、身体機能低下に焦点を当てる。評価には「筋量測定」「握力」「歩行速度」などが用いられる。

このように整理しておくと試験対策に役立ちます。