ポストポリオ症候群で正しいのはどれか。
- 痛みを伴うことは少ない。
- 発症年齢は10歳以下が多い。
- 罹患筋の運動単位数は減少している。
- 非麻痺側に新たな筋力低下は起こらない。
- MMT2レベル以下の新たな筋力低下に対して筋力増強運動を行う。
解答解説
正解は3. 罹患筋の運動単位数は減少しているです。
ポストポリオ症候群(PPS:Post-Polio Syndrome)は、ポリオ罹患後に時間が経過してから現れる新たな筋力低下や筋肉痛、疲労感などを特徴とする疾患です。運動ニューロンの減少や筋力低下が主な病態であり、罹患筋の運動単位数が減少していることが知られています。
各選択肢の解説
- 痛みを伴うことは少ない。
ポストポリオ症候群では、関節や筋肉の痛み(筋痛や関節痛)を伴うことが少なくありません。痛みは主要症状の一つであるため、この選択肢は誤りです。 - 発症年齢は10歳以下が多い。
ポストポリオ症候群自体の発症年齢は、ポリオ罹患から数十年後の中高年期(40歳以降)に多く見られます。10歳以下での発症はポリオの急性期に関する話であり、ポストポリオ症候群とは関係がありません。この選択肢は誤りです。 - 罹患筋の運動単位数は減少している。(正解)
ポリオ罹患後、神経の代償によって一時的に回復しますが、長期間の過剰使用により運動ニューロンが再び減少し、運動単位数が減少します。これが筋力低下や疲労感の原因となります。この選択肢は正解です。 - 非麻痺側に新たな筋力低下は起こらない。
ポストポリオ症候群では、非麻痺側にも筋力低下や疲労感が生じることがあります。これは、非麻痺側の筋肉が過剰に使用されることによるものです。この選択肢は誤りです。 - MMT2レベル以下の新たな筋力低下に対して筋力増強運動を行う。
MMT2以下の筋力低下に対しては、過度な筋力増強運動は筋肉のさらなる疲労や損傷を引き起こす可能性があるため、避けるべきです。無理のない範囲での機能維持や生活支援が重要です。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
ポストポリオ症候群のリハビリテーションでは、罹患筋や非麻痺筋の過剰使用を避け、疲労や痛みを管理することが重要です。適切なペーシング(活動量の調整)と補助具の活用により、生活の質を維持することを目標にします。