第57回

第57回理学療法士国家試験 午前問題88

骨形成不全症で正しいのはどれか。

  1. 遺伝性疾患ではない。
  2. 聴覚障害を合併する。
  3. 四肢・体幹の変形は少ない。
  4. 骨折の頻度は小児期より思春期で高い。
  5. 出生1,000人あたり5〜2人の割合である。

解答解説

正解は2. 聴覚障害を合併するです。

骨形成不全症(osteogenesis imperfecta)は、骨が脆弱になり、骨折しやすい遺伝性疾患です。骨以外にも耳小骨の異常による伝音性難聴など、全身にわたる症状を呈することがあります。

各選択肢の解説

  1. 遺伝性疾患ではない。
    骨形成不全症は遺伝性疾患であり、多くの場合はCOL1A1またはCOL1A2遺伝子の変異が原因です。この選択肢は誤りです。
  2. 聴覚障害を合併する。(正解)
    骨形成不全症では耳小骨の異常により伝音性難聴を合併することがあり、進行性の聴覚障害が認められる場合もあります。この選択肢は正しいです。
  3. 四肢・体幹の変形は少ない。
    骨形成不全症では頻回の骨折や骨の異常な成長により、四肢や体幹の変形がよく見られます。この選択肢は誤りです。
  4. 骨折の頻度は小児期より思春期で高い。
    骨折の頻度は小児期に最も高く、思春期以降は骨の強度が増すことで頻度が低下します。この選択肢は誤りです。
  5. 出生1,000人あたり5〜2人の割合である。
    骨形成不全症の発症頻度は約1万人に1人とされ、選択肢の「5〜2人」は誤った数値です。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

骨形成不全症の主な特徴を覚えておきましょう:

  • 主な症状:骨脆弱性、頻回の骨折、四肢・体幹の変形。
  • 合併症:聴覚障害(伝音性難聴)、青色強膜、歯の異常(象牙質形成不全)。
  • 治療法:ビスフォスフォネート療法、骨延長術、理学療法による機能維持。

全身性の遺伝性疾患であるため、骨以外の症状にも注意が必要です。