第57回

第57回理学療法士国家試験 午前問題67

排便機構で正しいのはどれか。

  1. 排便中枢は第4腰髄にある。
  2. S状結腸に糞便が到達すると便意を感じる。
  3. 直腸壁からの求心路は陰部神経を経由する。
  4. 骨盤神経の刺激で内肛門括約筋抑制が起こる。
  5. 大腸内容物を肛門側に輸送するのは分節運動である。

解答解説

正解は4. 骨盤神経の刺激で内肛門括約筋抑制が起こるです。

骨盤神経は副交感神経であり、刺激により内肛門括約筋を弛緩させることで排便を促進します。このプロセスは排便機構において重要です。

各選択肢の解説

  1. 排便中枢は第4腰髄にある。
    排便中枢は仙髄(S2〜S4)に存在します。第4腰髄ではなく、この選択肢は誤りです。
  2. S状結腸に糞便が到達すると便意を感じる。
    便意は直腸に糞便が到達し、直腸壁が伸展されることで感じられます。S状結腸ではありません。この選択肢は誤りです。
  3. 直腸壁からの求心路は陰部神経を経由する。
    直腸壁からの求心路は骨盤神経を経由します。陰部神経は外肛門括約筋の制御に関与するため、この選択肢は誤りです。
  4. 骨盤神経の刺激で内肛門括約筋抑制が起こる。(正解)
    骨盤神経(副交感神経)は内肛門括約筋の弛緩(抑制)を引き起こし、排便を促進します。この選択肢は正しいです。
  5. 大腸内容物を肛門側に輸送するのは分節運動である。
    分節運動は主に大腸内容物を混合する運動であり、輸送には蠕動運動が関与します。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

排便機構の主なポイントを整理しましょう:

  • 便意の発生:直腸が伸展されることで求心信号が排便中枢に送られる。
  • 神経制御:骨盤神経(副交感神経)が内肛門括約筋を弛緩させ、陰部神経が外肛門括約筋を制御する。
  • 運動の種類:蠕動運動が肛門側への内容物輸送を担い、分節運動は混合を行う。

これらの機構を覚えることで排便に関する問題に対応できます。