アキレス腱断裂について正しいのはどれか。
- つま先立ちは可能である。
- 受傷好発年齢は10歳代である。
- 高齢者では日常活動での受傷が多い。
- 術直後から患側の足関節可動域訓練を行う。
- ステロイド注射はアキレス腱断裂を予防する。
解答解説
正解は3. 高齢者では日常活動での受傷が多いです。
アキレス腱断裂は、中高年の男性に多くみられる外傷で、スポーツ活動中の受傷が多いですが、高齢者では日常生活での軽い動作(階段の昇降、歩行)でも断裂することがあります。
各選択肢の解説
- つま先立ちは可能である。
アキレス腱断裂により足関節底屈が困難となるため、つま先立ちは通常できません。この選択肢は誤りです。 - 受傷好発年齢は10歳代である。
アキレス腱断裂の好発年齢は30~50歳代であり、10歳代では稀です。この選択肢は誤りです。 - 高齢者では日常活動での受傷が多い。(正解)
高齢者では腱の弾力性や柔軟性の低下により、日常生活の軽微な動作でもアキレス腱断裂が起こることがあります。この選択肢は正しいです。 - 術直後から患側の足関節可動域訓練を行う。
術直後は腱の修復を優先するため、足関節可動域訓練は慎重に行う必要があります。通常、早期でも術後2~3週目以降に徐々に開始されます。この選択肢は誤りです。 - ステロイド注射はアキレス腱断裂を予防する。
ステロイド注射は腱の強度を低下させるリスクがあり、断裂を引き起こす要因となることがあります。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
アキレス腱断裂の特徴を覚えましょう:
- 好発年齢:30~50歳代の男性。
- 原因:スポーツ活動や高齢者の軽微な動作。
- 診断:トンプソンテスト(腓腹筋をつまんでも足関節が底屈しない)。
- 治療:保存療法(装具固定)、手術療法(縫合術)。
断裂後のリハビリは慎重に進める必要があり、負荷をかけすぎないことが重要です。