高齢者の大腿骨近位部骨折について正しいのはどれか。
- 男性に多い。
- 骨転位は稀である。
- 骨頭壊死は生じない。
- 認知症は危険因子である。
- 発生原因は交通事故が最も多い。
解答解説
正解は4です。
認知症は高齢者の大腿骨近位部骨折の危険因子の一つです。認知症の患者では、転倒のリスクが高く、骨折の発生頻度が増加します。また、骨粗鬆症や筋力低下も骨折リスクを高めます。
各選択肢の解説
- 男性に多い。
大腿骨近位部骨折は女性に多く見られます。女性は骨粗鬆症になりやすく、加齢とともに骨密度が低下し、骨折リスクが高まります。この選択肢は誤りです。 - 骨転位は稀である。
骨転位(骨のずれ)は大腿骨頚部骨折や転子部骨折では一般的に見られます。この選択肢は誤りです。 - 骨頭壊死は生じない。
大腿骨頚部骨折の場合、骨頭への血流が遮断されると骨頭壊死を引き起こすリスクがあります。この選択肢は誤りです。 - 認知症は危険因子である。(正解)
正しい選択肢です。認知症の患者は転倒リスクが高く、その結果として大腿骨近位部骨折が生じやすいです。その他の危険因子として、骨粗鬆症、歩行障害、視覚障害などがあります。 - 発生原因は交通事故が最も多い。
高齢者の大腿骨近位部骨折の原因は転倒が最も多く、交通事故は主な原因ではありません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
高齢者の大腿骨近位部骨折に関する注意点:
- 主な原因:転倒が圧倒的に多い。
- リスク因子:骨粗鬆症、認知症、筋力低下、視覚障害。
- 合併症:骨頭壊死(特に骨折が骨頭付近の場合)、手術後の感染や血栓形成。
- 治療と予防:骨折の早期手術とリハビリテーション、転倒予防のための環境整備や運動療法が重要。
リスク因子と予防策を理解することが、患者の転倒や骨折の防止に役立ちます。