第57回

第57回理学療法士国家試験 午前問題66

脂質の消化吸収について正しいのはどれか。

  1. 胆汁は胆囊で生成される。
  2. 胆汁酸はコレステロールから生合成される。
  3. トリプシンがトリグリセリドを分解する。
  4. Oddi括約筋の弛緩により胆汁が空腸へ放出される。
  5. ミセル内の脂質消化物は輸送蛋白により小腸上皮細胞内へ取り込まれる。

解答解説

正解は2. 胆汁酸はコレステロールから生合成されるです。

胆汁酸は肝臓でコレステロールから合成され、小腸での脂質消化を助ける働きをします。このプロセスは脂質の消化吸収において重要です。

各選択肢の解説

  1. 胆汁は胆囊で生成される。
    胆汁は肝臓で生成され、胆囊は胆汁を貯蔵し濃縮する役割を担います。この選択肢は誤りです。
  2. 胆汁酸はコレステロールから生合成される。(正解)
    胆汁酸は肝臓でコレステロールを原料として生成されます。これは脂質消化において重要な過程であり、この選択肢は正しいです。
  3. トリプシンがトリグリセリドを分解する。
    トリプシンはタンパク質を分解する酵素であり、トリグリセリドの分解には関与しません。トリグリセリドはリパーゼによって分解されます。この選択肢は誤りです。
  4. Oddi括約筋の弛緩により胆汁が空腸へ放出される。
    胆汁は十二指腸(十二指腸乳頭)に放出されます。胆汁が空腸に直接放出されることはないため、この選択肢は誤りです。
  5. ミセル内の脂質消化物は輸送蛋白により小腸上皮細胞内へ取り込まれる。
    ミセル内の脂質消化物(脂肪酸やモノグリセリド)は単純拡散により小腸上皮細胞に取り込まれます。輸送蛋白の関与はありません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

脂質消化吸収のポイントを押さえておきましょう:

  • 胆汁酸:肝臓でコレステロールから生成され、脂質を乳化してリパーゼの作用を助ける。
  • 膵リパーゼ:トリグリセリドをモノグリセリドと脂肪酸に分解する。
  • ミセル形成:胆汁酸が脂質を囲み、小腸上皮細胞への吸収を助ける。
  • 吸収:脂質消化産物は小腸上皮細胞に単純拡散で取り込まれる。

これらの基礎を理解することで、脂質消化に関する問題に正確に対応できます。