第59回

第59回理学療法士国家試験 午前問題25

インフォームドコンセントの説明で正しいのはどれか。

1.終末期の患者は対象外である。
2.医療法により罰則が課せられる。
3.専門用語を用いて詳細に伝える。
4.患者が自己決定する機会を保障する。
5.患者は一度同意したら撤回できない。

正解は4です。

解答解説

正解は 4.患者が自己決定する機会を保障する です。

  • インフォームドコンセントは、患者が十分な情報を得た上で治療や検査について自己決定する権利を尊重するための重要なプロセスです。医療者は、患者が自分の治療方針について十分に理解し、自らの意思で同意・選択できるように配慮し、患者の自己決定の機会を保障する義務があります。

選択肢の解説

  1. 終末期の患者は対象外である
    誤りです。終末期の患者もインフォームドコンセントの対象です。患者の意思や選択を尊重することは、どの治療段階においても必要です。
  2. 医療法により罰則が課せられる
    誤りです。インフォームドコンセントの不足が直接的に医療法により罰則の対象となるわけではありません。ただし、インフォームドコンセントが不十分である場合、医療訴訟の原因となり、医師の責任が問われる場合があります。
  3. 専門用語を用いて詳細に伝える
    誤りです。インフォームドコンセントでは、専門用語を避け、患者が理解しやすい言葉で説明することが重要です。患者の理解が得られなければ、自己決定の機会が確保されないため、医療者には分かりやすく説明する義務があります。
  4. 患者は一度同意したら撤回できない
    誤りです。インフォームドコンセントの原則では、患者は同意をいつでも撤回する権利があります。治療中であっても、患者が意思を変えた場合にはそれを尊重する必要があります。

ワンポイントアドバイス

インフォームドコンセントは、患者が十分な説明を受け、自らの意思で治療や検査について選択できるようにするためのプロセスです。説明の際には患者が理解しやすい言葉を用い、常に自己決定の権利が保障されるようにすることが基本です。