骨格筋の収縮について誤っているのはどれか。
- 筋小胞体はCa²⁺を貯蔵している。
- 活動電位は筋収縮に先行して発生する。
- 神経筋接合部にはニコチン受容体が分布する。
- 支配神経に単一の刺激を加えると強縮が起こる。
- 単収縮が連続して起こると階段現象がみられる。
解答解説
正解は4. 支配神経に単一の刺激を加えると強縮が起こるです。
強縮(ていしゅく)は、複数の刺激が高頻度で連続して与えられることで発生します。単一の刺激では強縮は起こらず、単収縮という一回の収縮が生じます。そのため、選択肢4は誤りです。
各選択肢の解説
- 筋小胞体はCa²⁺を貯蔵している。
筋小胞体(SR: Sarcoplasmic Reticulum)はCa²⁺を貯蔵し、収縮時にCa²⁺を放出してアクチンとミオシンの相互作用を引き起こします。この選択肢は正しいです。 - 活動電位は筋収縮に先行して発生する。
神経からの刺激で活動電位が発生し、その後に筋収縮が始まります。活動電位は筋収縮のトリガーとなるため、この選択肢は正しいです。 - 神経筋接合部にはニコチン受容体が分布する。
神経筋接合部では、アセチルコリンが分泌され、筋細胞にあるニコチン受容体に結合して活動電位が発生します。この選択肢は正しいです。 - 支配神経に単一の刺激を加えると強縮が起こる。(正解)
強縮は高頻度の反復刺激でのみ発生します。単一の刺激では一度の単収縮が起こるだけで、強縮は起こりません。この選択肢は誤りです。 - 単収縮が連続して起こると階段現象がみられる。
単収縮が連続して起こる場合、筋肉の温度上昇やCa²⁺の蓄積により、収縮力が徐々に増加する階段現象(treppe)が観察されます。この選択肢は正しいです。
ワンポイントアドバイス
筋収縮のメカニズムを理解するために以下を覚えておきましょう:
- 単収縮:単一の刺激による単発の収縮。
- 強縮:高頻度の刺激が重なり、連続的な収縮が起こる。
- 階段現象:低頻度の連続刺激で収縮力が増大する現象。
試験対策では、筋収縮の種類とその条件を整理しておくことが重要です。