環椎骨折(Jefferson骨折)に対する運動療法で正しいのはどれか。
- 頸椎の可動性が得られてから頸椎周囲筋の等張性筋力増強練習を行う。
- 頸椎の関節可動域運動は他動運動から開始する。
- 骨癒合が得られてから歩行練習を開始する。
- 骨癒合が得られるまで体幹筋力運動は行わない。
- 受傷直後から装具は使用せず立位練習を行う。
解答解説
正解は1. 頸椎の可動性が得られてから頸椎周囲筋の等張性筋力増強練習を行うです。
環椎骨折(Jefferson骨折)は、環椎(C1椎体)の破裂骨折のことで、主に強い外力が頭部に加わることで発生します。治療では、骨癒合を待つ間、安定性を確保するため装具(Halo装具や頸椎カラー)が使用されます。頸椎の運動療法は、骨癒合や安定性が得られた後に進められ、頸椎周囲筋の等張性筋力強化が重要です。
各選択肢の解説
- 頸椎の可動性が得られてから頸椎周囲筋の等張性筋力増強練習を行う。(正解)
骨癒合後に頸椎の安定性が確保され、可動性が得られてから頸椎周囲筋の筋力強化を行うのが適切です。等張性筋力増強練習は、動きが安定してから進める段階的なリハビリの一環であり、正しい選択です。この選択肢は正解です。 - 頸椎の関節可動域運動は他動運動から開始する。
頸椎の可動域運動は、骨癒合後に慎重に進められますが、他動運動は患者への負担が大きく不適切です。自動運動から開始するのが一般的です。この選択肢は誤りです。 - 骨癒合が得られてから歩行練習を開始する。
環椎骨折は頸椎に関する骨折であり、骨癒合を待たずとも装具による安定性が確保されていれば、早期から下肢の筋力強化や歩行練習を開始できます。この選択肢は誤りです。 - 骨癒合が得られるまで体幹筋力運動は行わない。
環椎骨折の治療中であっても、装具による安定性が確保されていれば体幹筋力運動を適宜行うことができます。骨癒合を待つ必要はありません。この選択肢は誤りです。 - 受傷直後から装具は使用せず立位練習を行う。
環椎骨折では受傷直後に装具(頸椎カラーやHalo装具)を用いて頸椎を安定させることが最優先です。装具を使用せずに立位練習を行うのは危険です。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
環椎骨折のリハビリでは、骨癒合や安定性が確認されてから段階的に運動療法を進めることが基本です。頸椎周囲筋の筋力強化は重要なポイントであり、頸椎の可動性を得た後に進めます。また、下肢や体幹の運動療法は、頸椎の安定が装具で確保されていれば早期から行うことが可能です。