右大腿骨頭すべり症によりDrehmann(ドレーマン)徴候陽性の場合、背臥位で右下肢を他動的に屈曲したときに生ずる関節運動で正しいのはどれか。
- 左股関節が屈曲・外旋する。
- 左股関節が内転・外旋する。
- 右股関節が外転・外旋する。
- 右股関節が外転・内旋する。
- 右股関節が内転・内旋する。
解答解説
正解は3. 右股関節が外転・外旋するです。
Drehmann徴候は、大腿骨頭すべり症(特に思春期に多い疾患)の特徴的な臨床所見です。患者を背臥位にして股関節を他動的に屈曲させると、股関節が外転および外旋することで屈曲動作が進みます。これは、関節内の変形や滑りによる動きの制限を補うために起こる現象です。
各選択肢の解説
- 左股関節が屈曲・外旋する。
問題の症例は右股関節に関連しているため、左股関節にこのような動きが生じることはありません。この選択肢は誤りです。 - 左股関節が内転・外旋する。
同様に、右股関節の運動が主題であり、左股関節には影響が及びません。この選択肢は誤りです。 - 右股関節が外転・外旋する。(正解)
右大腿骨頭すべり症では、他動的に屈曲させると外転・外旋が同時に起こります。これはDrehmann徴候として知られ、疾患の特徴的な所見です。この選択肢が正解です。 - 右股関節が外転・内旋する。
Drehmann徴候では外転と外旋が同時に生じるため、外転と内旋の組み合わせは不適切です。この選択肢は誤りです。 - 右股関節が内転・内旋する。
Drehmann徴候では、股関節の内転や内旋は見られません。外転と外旋が特徴的な動きです。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
Drehmann徴候は、大腿骨頭すべり症の診断における重要な臨床サインです。以下を覚えておきましょう:
- 背臥位で股関節屈曲時に外転・外旋が生じる。
- 思春期の男性に多く、肥満がリスク因子。
- 診断が遅れると変形性股関節症などの二次的な障害を引き起こす可能性があるため、早期発見が重要です。