呼吸機能検査、血液ガス検査の結果を示す。この結果の解釈として正しいのはどれか。2つ選べ。
- 気道狭窄
- 肺胞低換気
- 呼吸性アルカローシス
- 拡散障害による高二酸化炭素血症
- 肺コンプライアンスの低下による拘束性換気障害
解答解説
正解は3(呼吸性アルカローシス)と5(肺コンプライアンスの低下による拘束性換気障害)です。
以下のポイントに基づき、検査結果を解釈します。
- %VC 54%(正常値の80%未満)は拘束性換気障害を示唆します。
- FEV1% 82%(正常値80%以上)は閉塞性換気障害を否定します。
- 静肺コンプライアンス 0.09L/cmH2O(基準値 0.15~0.30以下)は肺の硬化、弾力性低下を示します。
- 血液ガス検査では、pH 7.48(アルカローシス)、PaCO₂ 32 Torr(低下)は呼吸性アルカローシスを示します。PaO₂ 66 Torrは低酸素血症を示唆します。
各選択肢の解説
- 気道狭窄
FEV1%が82%と正常であるため、気道狭窄(閉塞性換気障害)は否定されます。 - 肺胞低換気
PaCO₂が32 Torrと低下しており、低換気ではなく過換気の状態が示唆されるため誤りです。 - 呼吸性アルカローシス
血液ガス検査でpHが7.48(アルカローシス)、PaCO₂が32 Torr(低下)を示しており、呼吸性アルカローシスと判断されます。 - 拡散障害による高二酸化炭素血症
PaCO₂が低下しているため、高二酸化炭素血症は否定されます。 - 肺コンプライアンスの低下による拘束性換気障害
静肺コンプライアンスが0.09L/cmH₂O(基準値以下)と低下しており、拘束性換気障害(%VC 54%)の原因として肺コンプライアンス低下が考えられます。
ワンポイントアドバイス
拘束性換気障害では%VCの低下が特徴で、原因として肺の硬化や肺線維症などが挙げられます。一方、呼吸性アルカローシスは過換気によるPaCO₂の低下が原因です。血液ガス検査と呼吸機能検査の組み合わせで診断を進めることが重要です。