高齢者の筋で誤っているのはどれか。
- 筋断面積が減少する。
- 運動単位数が増加する。
- 筋力増強効果はみられる。
- タイプⅡ線維の萎縮が強い。
- 持久力は筋力に比較して維持される。
解答解説
正解は2.運動単位数が増加するです。
高齢者では、加齢に伴って運動ニューロンの減少がみられるため、運動単位の数はむしろ減少します。この運動単位の減少は筋力低下の一因と考えられます。
各選択肢の解説
- 筋断面積が減少する。
正しい。加齢に伴い、筋肉量や筋断面積は減少します。この現象はサルコペニアと呼ばれ、特に活動量の少ない人で顕著です。 - 運動単位数が増加する。
誤り。運動単位は加齢によって減少します。特に、速筋線維(タイプⅡ線維)を支配する運動ニューロンが減少し、筋力が低下します。 - 筋力増強効果はみられる。
正しい。高齢者でも適切な筋力トレーニングを行うことで筋力を増強することが可能です。筋肉は加齢に対しても一定の可塑性を持っています。 - タイプⅡ線維の萎縮が強い。
正しい。速筋線維(タイプⅡ線維)は加齢の影響を受けやすく、萎縮が著しいです。一方、遅筋線維(タイプⅠ線維)は比較的保たれます。 - 持久力は筋力に比較して維持される。
正しい。遅筋線維(タイプⅠ線維)は加齢の影響を受けにくいため、筋力に比べて持久力は比較的維持されます。
ワンポイントアドバイス
高齢者の筋肉特性について覚えておくべきポイント:
- 筋量と筋力の低下:サルコペニアの進行により筋断面積と筋力が減少。
- 筋線維タイプの変化:タイプⅡ線維の萎縮が著しく、タイプⅠ線維は比較的維持。
- 運動の効果:筋力トレーニングによる筋力増強が可能。特にレジスタンストレーニングが有効。
運動療法は高齢者の健康維持に非常に重要です。個々の特性に合わせたプログラムを考慮しましょう。