急性心筋梗塞で左冠動脈閉塞に比べて右冠動脈閉塞に特徴的なのはどれか。
- 房室伝導ブロック
- 心原性ショック
- 心室中隔孔
- 心室性頻拍
- 肺うっ血
解答解説
正解は1.房室伝導ブロックです。
右冠動脈は、房室結節や洞房結節への血流を供給しているため、右冠動脈閉塞による心筋梗塞では、房室伝導障害(房室ブロック)や徐脈が特徴的にみられます。一方、左冠動脈閉塞では心室の広範な障害により心原性ショックや肺うっ血がより頻繁にみられます。
各選択肢の解説
- 房室伝導ブロック
正解。右冠動脈が房室結節に血流を供給しているため、右冠動脈閉塞では房室伝導ブロックが生じやすくなります。これは右冠動脈閉塞に特徴的な所見です。 - 心原性ショック
誤り。心原性ショックは左冠動脈閉塞で広範な心筋が障害される場合に起こりやすいです。右冠動脈閉塞でも発生することがありますが、頻度は低いです。 - 心室中隔孔
誤り。心室中隔孔は左冠動脈の閉塞(特に前下行枝)の場合に起こりやすい合併症です。右冠動脈閉塞では特徴的ではありません。 - 心室性頻拍
誤り。心室性頻拍は左冠動脈閉塞、右冠動脈閉塞のいずれの場合でも起こり得ますが、特に左冠動脈閉塞で多くみられます。 - 肺うっ血
誤り。肺うっ血は左冠動脈閉塞による左心不全の症状として特徴的です。右冠動脈閉塞では、肺うっ血よりも右心不全が目立ちます。
ワンポイントアドバイス
右冠動脈閉塞に特徴的な所見:
- 房室伝導障害(房室ブロック):房室結節の虚血により発生。
- 右心不全の症状:頸静脈怒張、肝腫大、下肢浮腫。
- 徐脈:洞房結節虚血による徐脈が見られることもある。
左冠動脈閉塞との違いを明確に理解し、臨床像や治療方針に役立てましょう。