リンパについて正しいのはどれか。
- 乳び槽は横隔膜上部にある。
- リンパ管には弁機構はない。
- 胸管は右の静脈角に合流する。
- リンパ節は毛細リンパ管にある。
- 左上肢のリンパは左鎖骨下リンパ本幹に流れ込む。
解答解説
正解は5.左上肢のリンパは左鎖骨下リンパ本幹に流れ込むです。
左鎖骨下リンパ本幹は、左上肢や胸部左側のリンパを胸管に集めて静脈角(左内頸静脈と左鎖骨下静脈の合流部)に送る役割を果たしています。
各選択肢の解説
- 乳び槽は横隔膜上部にある。
誤り。乳び槽(chyle cistern)は横隔膜の下部、腹部大動脈の前面に位置します。ここで腹腔からのリンパが集まり、胸管へ流入します。 - リンパ管には弁機構はない。
誤り。リンパ管には逆流防止の弁機構が備わっています。この弁により、リンパ液は一方向に流れるようになっています。 - 胸管は右の静脈角に合流する。
誤り。胸管は左側に位置し、左静脈角(左内頸静脈と左鎖骨下静脈の合流部)に合流します。右静脈角には右リンパ本幹が合流します。 - リンパ節は毛細リンパ管にある。
誤り。リンパ節は、毛細リンパ管ではなく収集リンパ管の途中に存在します。リンパ節で異物や病原体を除去する機能を果たします。 - 左上肢のリンパは左鎖骨下リンパ本幹に流れ込む。
正解。左上肢のリンパは左鎖骨下リンパ本幹を経由し、胸管を通じて左静脈角へと流れ込みます。
ワンポイントアドバイス
リンパの流れに関する基本的な解剖学を整理する際には、左右で異なるリンパの流入経路に注目しましょう。右上半身(右頭頸部、右上肢、右胸部)は右リンパ本幹に集まり、右静脈角へ流れます。一方、左上半身と下半身全体は胸管を経由して左静脈角に流れ込むことを覚えておきましょう。