第52回

第52回理学療法士国家試験 午後問題69

代謝について正しいのはどれか。

  1. エネルギー代謝率(RMR)は基礎代謝量を基準とした運動強度である。
  2. 基礎代謝量(BMR)は同性で同年齢ならば体重に比例する。
  3. 呼吸商(RQ)は摂取する栄養素によらず一定である。
  4. 代謝当量(MET)は安静臥位時の代謝量を基準とした運動強度である。
  5. 特異動的作用(SDA)とは食物摂取後の消費エネルギーの減少である。

解答解説

正解は1. エネルギー代謝率(RMR)は基礎代謝量を基準とした運動強度であるです。

エネルギー代謝率(RMR: Resting Metabolic Rate)は基礎代謝量(BMR: Basal Metabolic Rate)を基準にした運動や活動時のエネルギー消費量を指します。RMRは安静時代謝量に近い概念で、運動強度や身体活動量の指標として用いられます。

各選択肢の解説

  1. エネルギー代謝率(RMR)は基礎代謝量を基準とした運動強度である(正解)
    RMRは基礎代謝量を基準として運動時のエネルギー消費を表します。正しい選択肢です。
  2. 基礎代謝量(BMR)は同性で同年齢ならば体重に比例する
    基礎代謝量は体重だけでなく、筋肉量、体脂肪率、性別、年齢、ホルモンなどの要因にも影響を受けます。同じ性別・年齢であっても筋肉量の違いなどでBMRが異なるため、体重に単純に比例するわけではありません。この選択肢は誤りです。
  3. 呼吸商(RQ)は摂取する栄養素によらず一定である
    呼吸商(RQ)は摂取する栄養素によって異なります。糖質は約1.0、脂質は約0.7、タンパク質は約0.8と、代謝される栄養素に応じて変動します。この選択肢は誤りです。
  4. 代謝当量(MET)は安静臥位時の代謝量を基準とした運動強度である
    MET(Metabolic Equivalent of Task)は、安静座位時の代謝量を基準とした単位であり、安静臥位ではありません。この選択肢は誤りです。
  5. 特異動的作用(SDA)とは食物摂取後の消費エネルギーの減少である
    特異動的作用(SDA: Specific Dynamic Action)は、食物摂取後に消化・吸収・代謝過程で消費されるエネルギー量の増加を指します。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

代謝に関する指標や用語を整理して覚えましょう。以下のポイントを押さえると解答しやすくなります:

  • RMR: 基礎代謝量を基準に活動時のエネルギー消費を表す。
  • BMR: 安静時代謝量で、筋肉量や体組成に影響を受ける。
  • RQ: 代謝される栄養素で変動。糖質(1.0)、脂質(0.7)など。
  • MET: 安静座位を基準とする運動強度の単位。
  • SDA: 食物摂取後の消費エネルギーの増加。

基礎概念を確実に理解し、混同しないよう注意しましょう。