慢性閉塞性肺疾患のADL動作で最も息切れが生じやすいのはどれか。
- 食事
- 排尿
- 歯磨き
- 洗髪
- ズボンの着脱
解答解説
正解は4. 洗髪です。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者は、呼吸機能が低下しており、酸素供給が不足しやすく、特に呼吸筋に負担がかかる動作で息切れ(呼吸困難)が顕著になります。洗髪は以下の理由で息切れが生じやすい動作です。
- 手を頭上に挙げる動作は、呼吸補助筋の活動を妨げ、換気効率を低下させる。
- 湯気や湿気の影響で空気の密度が増し、呼吸がより困難になる。
これらの要因により、洗髪はCOPD患者にとって息切れを引き起こしやすいADL動作とされています。
各選択肢の解説
- 食事
食事はエネルギー消費が少なく、通常、COPD患者でも息切れを引き起こしにくいADL動作です。この選択肢は誤りです。 - 排尿
排尿は立位または座位で行う動作ですが、身体活動量が少ないため、息切れを引き起こす頻度は低いです。この選択肢は誤りです。 - 歯磨き
歯磨きは立位で行うことが多いですが、動作自体は軽い負荷であり、息切れが生じることはあまりありません。この選択肢は誤りです。 - 洗髪(正解)
頭上で手を動かす動作は呼吸補助筋の活動を妨げ、呼吸が浅くなりやすいです。また、湿気のある環境が呼吸困難を助長します。このため、COPD患者にとって洗髪は息切れが最も生じやすい動作です。正しい選択肢です。 - ズボンの着脱
ズボンの着脱は前屈姿勢を伴うため、呼吸がやや困難になることはありますが、洗髪ほどではありません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
COPD患者にとって息切れを軽減する方法として、座位で洗髪を行う、呼吸を整えながら作業をする(リズム呼吸)、湿気を避けるなどの工夫が有効です。ADL指導の際には、患者の負担を軽減する具体的な方法を提案できるようにしましょう。