肘関節脱臼で多いのはどれか。
- 外側
- 後方
- 前方
- 内側
- 分散
解答解説
正解は2. 後方です。
肘関節脱臼の中で最も多いのは後方脱臼です。これは、転倒時に手をついて体重がかかった際、前腕が過剰に伸展し、上腕骨に対して尺骨と橈骨が後方にずれることによって発生します。この脱臼の特徴は、関節包の損傷や靱帯の損傷を伴うことが多い点です。スポーツ外傷や転倒事故で発生しやすく、治療には整復とその後のリハビリテーションが必要です。
各選択肢の解説
- 外側
外側脱臼は極めて稀で、通常は重大な外力が加わらない限り発生しません。最も一般的な脱臼ではありません。この選択肢は誤りです。 - 後方(正解)
後方脱臼は最も頻度が高く、肘関節脱臼の約90%を占めます。正しい選択肢です。 - 前方
前方脱臼は稀ですが、肘関節に強い屈曲力が加わった場合に発生することがあります。ただし、発生頻度は低く、後方脱臼よりも少ないです。この選択肢は誤りです。 - 内側
内側脱臼も極めて稀であり、一般的ではありません。この選択肢は誤りです。 - 分散
「分散脱臼」という分類は肘関節脱臼では一般的に用いられません。この選択肢は不適切です。
ワンポイントアドバイス
肘関節の脱臼は、後方脱臼が最も多いことを覚えておきましょう。臨床では、脱臼に伴って靱帯や軟部組織の損傷が生じることが多いため、早期の整復と適切な固定・リハビリが重要です。また、尺骨神経や橈骨神経の損傷リスクにも注意が必要です。