Danielsらの徒手筋力テストで、検査する筋の段階と測定肢位の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
- 腸腰筋の段階3
- 中殿筋の段階1
- 大腿四頭筋の段階3
- 前脛骨筋の段階4
- 下腿三頭筋の段階2
解答解説
正解は3. 大腿四頭筋の段階3 座位と5. 下腿三頭筋の段階2 背臥位です。
Danielsらの徒手筋力テスト(MMT: Manual Muscle Testing)では、筋力の段階を0から5に分けて評価します。適切な測定肢位で評価することが重要で、筋の力に応じて重力の影響を考慮します。以下の組み合わせが正しい理由を解説します。
各選択肢の解説
- 腸腰筋の段階3 側臥位
段階3は重力に抗して関節を全可動域で動かせる状態です。腸腰筋を評価する際は、側臥位ではなく座位で行い、股関節屈曲を評価するのが標準です。この選択肢は誤りです。 - 中殿筋の段階1 腹臥位
段階1は筋収縮が触知されるが、関節を動かせない状態を指します。中殿筋の収縮は側臥位で触知するのが適切であり、腹臥位は適切な肢位ではありません。この選択肢は誤りです。 - 大腿四頭筋の段階3 座位(正解)
段階3は、重力に抗して関節を全可動域で動かせる状態です。大腿四頭筋の筋力テストでは、座位で膝を伸展させることで評価します。この組み合わせは正しいです。 - 前脛骨筋の段階4 立位
段階4は、抵抗に抗して可動域を保てる状態です。前脛骨筋を評価する際は座位または背臥位で足関節背屈を行うのが適切で、立位での評価は標準的ではありません。この選択肢は誤りです。 - 下腿三頭筋の段階2 背臥位(正解)
段階2は重力を除去した状態で関節を全可動域で動かせる状態です。下腿三頭筋を評価する際には、背臥位で足関節の底屈を行うことで適切に評価できます。この組み合わせは正しいです。
ワンポイントアドバイス
MMTでは、段階3は重力に抗した運動が可能かを評価する段階であり、筋の位置や作用を考慮して適切な測定肢位を選ぶ必要があります。特に段階2以下では重力を除去する肢位が必要であるため、標準的な測定法を正確に把握しておくことが重要です。