Daniels らの徒手筋力テストで股関節内転筋の段階を測定する際、図のような代償動作がみられた。代償動作を生じさせている筋はどれか。
- 腸骨筋
- 梨状筋
- 中殿筋
- 大二頭筋
- 内側広筋
解答解説
正解は1.腸骨筋です。
図のように股関節内転筋の筋力を測定する際に、代償動作として股関節屈曲がみられる場合があります。この動作は、主に腸骨筋や大腿直筋などの股関節屈曲筋が過剰に働くことによって生じます。腸骨筋の代償が特に多く観察されるため、正答となります。
各選択肢の解説
- 腸骨筋
正解。腸骨筋は股関節屈曲を担う筋であり、内転筋が十分に機能しない場合、内転動作を補う形で股関節屈曲が代償的に生じます。図のような代償動作において、腸骨筋が主要な原因筋となります。 - 梨状筋
誤り。梨状筋は股関節の外旋および外転に関与しますが、内転筋の代償動作には寄与しません。股関節屈曲の代償動作とは無関係です。 - 中殿筋
誤り。中殿筋は股関節外転に関与する筋であり、内転筋の代償動作には関与しません。図に示される股関節屈曲の動きにも無関係です。 - 大二頭筋
誤り。大二頭筋は膝関節の屈曲と股関節の伸展に関与します。内転筋の代償として働くことはありません。また、股関節屈曲の代償動作とも無関係です。 - 内側広筋
誤り。内側広筋は大腿四頭筋の一部であり、膝関節の伸展に関与します。股関節の代償動作には関与せず、図のような動作とは無関係です。
ワンポイントアドバイス
徒手筋力テストでは、代償動作を的確に観察し、その原因筋を特定することが重要です。股関節内転筋を評価する際、腸骨筋などの股関節屈曲筋が代償することが多いため、代償動作の抑制やテスト中の姿勢保持が大切です。筋力評価は正確なポジショニングが鍵となります。