「自分が幼稚園に行っている間にお母さんがいなくなってしまう」と思いこみ、登園をしぶる心理はどれか。
- 退 行
- 抑圧
- 置き換え
- 反動形成
- 分離不安
解答解説
正解は5.分離不安です。
分離不安は、幼い子どもが主要な養育者(多くの場合、母親など)と離れることへの強い不安や恐怖を抱く状態です。特に幼児期に顕著で、「お母さんがいなくなってしまうのではないか」という恐れが登園渋りや情緒不安定の原因となることがあります。この心理状態は、発達段階における正常な現象としても見られるものです。
選択肢の解説
- 退 行
誤りです。退行は、心理的なストレスに対処するために、より幼い段階の行動や思考に戻る防衛機制です。しかし、問題文の状況は、特定のストレスへの反応というよりも分離への不安が主軸です。 - 抑圧
誤りです。抑圧は、不安や恐れを無意識に押し込める防衛機制です。しかし、問題文の子どもは不安を感じ、それを行動(登園渋り)で表現しているため、抑圧とは異なります。 - 置き換え
誤りです。置き換えは、本来の対象に向ける感情を、他の対象に向ける防衛機制です。この問題では、感情が母親との分離そのものに直接向けられているため、置き換えではありません。 - 反動形成
誤りです。反動形成は、不安や恐れの裏返しとして、逆の感情や行動を示す防衛機制です。例えば、嫌いな人に対して親切にするなどの行動が該当します。この問題の状況には当てはまりません。 - 分離不安
正解です。子どもが主要な養育者と離れることへの恐れや不安を感じる典型的なケースです。幼稚園に行くことで母親と離れることに対して不安を抱き、登園を嫌がる心理状態が説明されます。
ワンポイントアドバイス
分離不安は幼児期に多く見られますが、成長とともに徐々に解消されることが一般的です。保育士や教師は、このような状況に対応する際に、安心感を与えるための具体的な声掛けやサポートを行うことが大切です。心理学では、このような行動の背景にある発達段階や感情を正しく理解することが重要です。