第51回

第51回理学療法士国家試験 午前問題69

図のような輪軸を利用して、力Fで18kgの物体を引き上げた(ひもの摩擦と重さは無視できるものとする)。ひもを引く最小限の力Fはどれか。ただし、100gの物体を引き上げるのに必要な力を1Nとする。

  1. 20N
  2. 60N
  3. 180N
  4. 540N
  5. 1,620N

解答解説

正解は2.60Nです。

この問題は輪軸を用いた力学の基本的な原理を問うものです。輪軸では、力のモーメント(力 × 半径)が釣り合う条件を利用します。物体の重さが作るモーメントと、ひもを引く力Fが作るモーメントが等しくなるように計算します。

選択肢の解説

  1. 20N
    誤りです。力Fが20Nでは、物体の重さに対応するモーメントを打ち消すことができません。計算結果より誤りです。
  2. 60N
    正解です。大きい円の半径(45cm)を基準に計算すると、必要な力は60Nとなります。
  3. 180N
    誤りです。この値は物体の重さそのものですが、輪軸を利用することで小さな力で物体を引き上げることができます。
  4. 540N
    誤りです。この値は必要以上に大きな力であり、モーメントの計算結果と一致しません。
  5. 1,620N
    誤りです。この値はさらに過大であり、物理的に誤っています。

ワンポイントアドバイス

輪軸やてこでは、モーメント(力 × 距離)の釣り合いを利用して計算します。物体の重さを小さな力で引き上げる仕組みを正確に理解し、モーメントの式に基づいた計算をしっかり行うようにしましょう。