第51回

第51回理学療法士国家試験 午前問題67

体温について正しいのはどれか。

  1. 甲状腺ホルモンは熱産生を減少させる。
  2. 末血管収縮で熱放散が低下する。
  3. 体温調節中枢は小脳にある。
  4. 食物摂取により低下する。
  5. 夜間睡眠時に上昇する。

解答解説

正解は2.末血管収縮で熱放散が低下するです。

末梢血管が収縮すると、皮膚への血流量が減少し、熱放散が抑えられます。これにより、体温が維持される仕組みが働きます。寒冷環境下で見られる体温調節の重要なメカニズムです。他の選択肢は体温調節に関して誤った記述です。

選択肢の解説

  1. 甲状腺ホルモンは熱産生を減少させる。
    誤りです。甲状腺ホルモンは基礎代謝を上げ、熱産生を促進します。特にT3(トリヨードサイロニン)は細胞内でエネルギー代謝を高め、体温上昇に寄与します。
  2. 末血管収縮で熱放散が低下する。
    正解です。末梢血管が収縮すると、皮膚表面への血流が減少し、熱が放散されにくくなります。これにより、体温が下がるのを防ぎます。
  3. 体温調節中枢は小脳にある。
    誤りです。体温調節中枢は間脳の視床下部にあります。小脳は運動の調整やバランスに関与しますが、体温調節には直接関係しません。
  4. 食物摂取により低下する。
    誤りです。食物摂取後には食事誘発性熱産生(DIT)が起こり、体温が上昇する傾向があります。特にタンパク質の摂取はDITを高めます。
  5. 夜間睡眠時に上昇する。
    誤りです。体温は日内変動を持ち、夜間睡眠時には低下します。これは代謝活動が抑制されるためであり、早朝が最も低い時期にあたります。

ワンポイントアドバイス

体温調節は視床下部が司る重要な生理機能であり、血管の収縮や発汗、代謝の調節などが関与します。特に、末梢血管の収縮が寒冷環境下での体温維持に果たす役割や、甲状腺ホルモンの作用を覚えておくと関連問題に対応しやすくなります。