良性腫瘍と比較した悪性腫瘍の特徴はどれか。
- 出血壊死が少ない。
- 細胞の分化度が高い。
- クロマチンが増加する。
- 膨脹性発育がみられる。
- 細胞質に対して核の占める割合が小さい。
解答解説
正解は3.クロマチンが増加するです。
悪性腫瘍の細胞は増殖が活発であり、核内のDNA(クロマチン)が増加するため、核が濃く染色される(過染性)特徴があります。また、クロマチンの分布が不規則になり、核の形態が異常となることも悪性腫瘍の特徴です。
選択肢の解説
- 出血壊死が少ない。
誤りです。悪性腫瘍では増殖が早く、腫瘍内の血流が追いつかないため、出血や壊死がしばしば見られます。一方、良性腫瘍では血流が安定しており、出血壊死は少ないです。 - 細胞の分化度が高い。
誤りです。悪性腫瘍では分化度が低く、未熟な細胞が多くみられます。一方、良性腫瘍は分化度が高く、腫瘍細胞が元の正常細胞に近い特徴を持ちます。 - クロマチンが増加する。
正解です。悪性腫瘍細胞では、核内のクロマチン量が増加し、過染性(濃染性)を示します。また、核の異常な形態も悪性腫瘍の重要な指標となります。 - 膨脹性発育がみられる。
誤りです。膨脹性発育は良性腫瘍の特徴で、腫瘍が周囲組織を圧迫して増大します。一方、悪性腫瘍では浸潤性発育がみられ、周囲の正常組織に入り込むように増殖します。 - 細胞質に対して核の占める割合が小さい。
誤りです。悪性腫瘍では核が大きくなり、核/細胞質比が増加することが特徴です。一方、良性腫瘍では核の大きさが正常細胞に近く、核/細胞質比も低いままです。
ワンポイントアドバイス
良性腫瘍と悪性腫瘍の違いを理解する際は、以下の特徴に着目しましょう:
- 良性腫瘍:分化度が高い、膨脹性発育、出血壊死が少ない。
- 悪性腫瘍:分化度が低い、浸潤性発育、出血壊死が多い、核/細胞質比が高い、クロマチン増加。
これらを整理して覚えると、試験での区別が容易になります。