平衡聴覚器について正しいのはどれか。
- 半規管は頭部の回転運動を感知する。
- 半規管は蝸牛神経の支配を受ける。
- 半規管にはコルチ器が存在する。
- 蝸牛管は内リンパの流れが受容器の刺激となる。
- 蝸牛管には耳石が存在する。
解答解説
正解は1.半規管は頭部の回転運動を感知するです。
半規管は三半規管とも呼ばれ、頭部の回転運動(角加速度)を感知する役割を持つ平衡感覚の器官です。各半規管にはクプラ(膨大部稜)があり、内リンパの流れがクプラを刺激することで頭部の動きを検知します。他の選択肢は、平衡聴覚器に関する誤解や誤った記述です。
選択肢の解説
- 半規管は頭部の回転運動を感知する。
正解です。半規管は、頭部の回転運動(角加速度)を感知します。三半規管にはそれぞれ異なる方向に配置された管があり、内リンパの流れにより感覚細胞が刺激を受けます。 - 半規管は蝸牛神経の支配を受ける。
誤りです。半規管は前庭神経によって支配されます。蝸牛神経は聴覚を担当する神経であり、半規管の機能には関与しません。 - 半規管にはコルチ器が存在する。
誤りです。コルチ器は蝸牛管内に存在し、聴覚を司る受容器です。半規管には存在せず、平衡感覚には関与しません。 - 蝸牛管は内リンパの流れが受容器の刺激となる。
誤りです。蝸牛管において聴覚受容器(コルチ器)の刺激は音波の振動によって起こります。内リンパの流れが直接刺激となるのは、半規管や耳石器(平衡感覚に関与する構造)です。 - 蝸牛管には耳石が存在する。
誤りです。耳石は前庭内の耳石器(卵形嚢と球形嚢)に存在し、直線加速度や重力を感知します。蝸牛管には耳石はありません。
ワンポイントアドバイス
平衡聴覚器の役割を区別するには、以下を覚えておくと便利です。
- 半規管:回転運動(角加速度)を感知。
- 耳石器(卵形嚢・球形嚢):直線加速度や重力を感知。
- 蝸牛管:聴覚を感知(コルチ器が存在)。
これらの区別を明確にすることで、試験問題への対応がスムーズになります。