輸血時に移植片対宿主病が起こる可能性が最も高いのはどれか。
- 血小板濃厚液
- 新鮮血
- 新鮮冷凍血漿
- 赤血球濃厚液
- 保存血
解答解説
正解は2.新鮮血です。
移植片対宿主病(GVHD: Graft-versus-Host Disease)は、輸血製剤に含まれるドナー由来の活性化リンパ球が、受血者の組織を攻撃することで発生します。新鮮血はリンパ球がまだ活性を保っているため、GVHDのリスクが高いとされています。一方、放射線照射や保存期間が長い血液では、リンパ球が死滅または不活化されているため、GVHDのリスクは低くなります。
選択肢の解説
- 血小板濃厚液
誤りです。血小板濃厚液には少量の白血球が含まれる場合がありますが、通常は放射線照射が行われるため、GVHDのリスクは低いです。 - 新鮮血
正解です。新鮮血には活性化リンパ球が含まれるため、GVHDのリスクが最も高くなります。特に免疫抑制状態やHLA型が一致する場合に発生しやすいです。 - 新鮮冷凍血漿
誤りです。新鮮冷凍血漿には細胞成分が含まれないため、GVHDのリスクはありません。 - 赤血球濃厚液
誤りです。赤血球濃厚液は通常、保存処理や放射線照射が施されており、リンパ球が不活化されるため、GVHDのリスクは低いです。 - 保存血
誤りです。保存血は保存期間中にリンパ球が死滅するため、GVHDのリスクは低いです。
ワンポイントアドバイス
移植片対宿主病を防ぐために、放射線照射された血液製剤の使用が推奨されることがあります。特に免疫抑制状態にある患者やHLA型一致輸血の場合には、この対応が重要です。また、輸血製剤ごとの成分や性質を理解しておくことで、試験での対応力が向上します。