第51回

第51回理学療法士国家試験 午前問題30

四肢遠位部の筋力低下を特徴とするのはどれか。

  1. 肢帯型筋ジストロフィー
  2. 福山型筋ジストロフィー
  3. 筋強直性ジストロフィー
  4. Duchenne型筋ジストロフィー
  5. 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー

解答解説

正解は3.筋強直性ジストロフィーです。

筋強直性ジストロフィーは、四肢遠位部の筋力低下が特徴的な疾患です。この病気では、指の伸展筋や手関節の背屈筋など、遠位筋が初期段階から障害されやすく、症状が進行します。また、筋力低下に加え、筋強直(筋の弛緩が遅れる状態)も主要な症状の一つです。

選択肢の解説

  1. 肢帯型筋ジストロフィー
    肢帯型筋ジストロフィーでは、骨盤帯や肩甲帯などの体幹近位部の筋力低下が特徴的であり、四肢遠位部は初期段階では影響を受けにくいです。この選択肢は誤りです。
  2. 福山型筋ジストロフィー
    福山型筋ジストロフィーは、先天性筋ジストロフィーの一種で、近位筋の筋力低下が中心です。遠位筋の筋力低下が目立つ疾患ではありません。この選択肢は誤りです。
  3. 筋強直性ジストロフィー
    筋強直性ジストロフィーでは、四肢の遠位筋(特に手指や足趾)に筋力低下が初期から現れます。また、筋強直症状もあり、特に手指を握る動作の後に弛緩が遅れることが特徴です。この選択肢が正解です。
  4. Duchenne型筋ジストロフィー
    Duchenne型筋ジストロフィーは、X連鎖劣性遺伝形式で発症し、近位筋(骨盤帯や下肢近位部)から筋力低下が進行します。四肢遠位部の筋力低下は進行の後期にみられるため、この選択肢は誤りです。
  5. 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー
    顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーでは、顔面や肩甲帯、上腕筋の筋力低下が初期段階で見られます。四肢遠位部は障害されにくいです。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

筋ジストロフィーには多くの型があり、それぞれ特徴的な筋力低下の分布が見られます。筋強直性ジストロフィーは四肢遠位部の筋力低下が初期症状として目立つため、試験ではこの特徴を覚えておくことが重要です。また、筋力低下の分布と進行パターンを他の型と比較して整理しておきましょう。