65歳の男性。身長165cm。図のように歩行補助具として杖の長さを調整する際、指標とすべき杖先の位置を示すaの距離と肘の角度bの組み合わせで正しいのはどれか。
- 20cm —— 100度
- 15cm —— 100度
- 15cm —— 150度
- 5cm —— 150度
- 5cm —— 180度
解答解説
正解は3. 15cm —— 150度です。
解説
歩行補助具としての杖の長さや位置の調整は、安全で快適な歩行を可能にするために重要です。以下の基準が適用されます:
- 杖先の位置 (a)
杖先は、足の外側から約15cm外側かつ15cm前方に設置するのが適切です。この位置が歩行中の安定性を保ちやすいとされています。 - 肘の角度 (b)
杖を握った状態で、肘関節が約150度(軽く屈曲した状態)になるのが理想的です。この角度は、力の伝達効率を高め、肩や手首に過度の負担がかからないように調整されています。
その他の選択肢
- 20cm —— 100度
杖先が足から20cmも離れると安定性が低下します。また、肘を100度に屈曲させると、杖が短すぎて肩や手首への負担が大きくなるため不適切です。 - 15cm —— 100度
杖先の位置は適切ですが、肘の角度が100度では屈曲が強すぎて不快感や負担を生じます。不正解です。 - 5cm —— 150度
肘の角度は適切ですが、杖先が足からわずか5cmでは安定性が不足します。不正解です。 - 5cm —— 180度
杖先の位置が近すぎるうえ、肘が完全に伸びた180度では衝撃を吸収できず、不適切です。不正解です。
ワンポイントアドバイス
杖の調整では、杖先の位置は足の外側15cm、前方15cm、肘の角度は150度が基本です。これを覚えておけば、どのような患者にも安全かつ適切な指導が可能です。患者の歩行パターンや体型に応じた微調整を行うことも重要です。