第53回

第53回理学療法士国家試験 午前問題97

器質性精神障害について正しいのはどれか。

  1. 妄想はみられない。
  2. 安定した人格を認める。
  3. 記憶障害はみられない。
  4. 抗精神病薬は投与しない。
  5. 心理的要因の影響を受ける。

解答解説

正解は5です。

器質性精神障害は、脳の器質的な病変や疾患が原因で精神症状が現れますが、心理的要因も影響を与える場合があります。 これは、患者の環境やストレス、社会的状況が症状に影響を及ぼすことを意味します。

選択肢の解説

  1. 妄想はみられない。
    誤りです。 器質性精神障害では、病変の部位や病態によっては妄想が見られる場合があります。特に脳血管障害や認知症では、妄想や幻覚が出現することがあります。
  2. 安定した人格を認める。
    誤りです。 器質性精神障害では、脳機能の低下や病変により、人格の変化や情緒の不安定性がしばしば認められます。
  3. 記憶障害はみられない。
    誤りです。 記憶障害は器質性精神障害の代表的な症状の一つです。特にアルツハイマー型認知症や頭部外傷では顕著にみられます。
  4. 抗精神病薬は投与しない。
    誤りです。 必要に応じて抗精神病薬が使用されることがあります。ただし、高齢者や認知症患者では副作用に注意しながら慎重に投与する必要があります。
  5. 心理的要因の影響を受ける。
    正しい記述です。 器質性精神障害は主に脳の器質的な病変が原因ですが、患者の心理的要因や環境要因が症状の悪化や改善に影響を及ぼすことがあります。

ワンポイントアドバイス

器質性精神障害は、脳の器質的病変(外傷、脳血管障害、認知症など)による精神症状が特徴です。ただし、心理的・環境的要因も症状の悪化に関与するため、患者の全人的なケアが必要です。治療では、症状に応じた薬物療法と環境調整が重要です。