第53回

第53回理学療法士国家試験 午後問題35

がん患者の身体機能評価尺度はどれか。

  1. Barthel Index
  2. FBS
  3. FIM
  4. KPS(Karnofsky performance scale)
  5. mRS

解答解説

正解は4. KPS(Karnofsky performance scale)です。

解説

KPS(Karnofsky performance scale)は、がん患者を対象とした身体機能や日常生活動作(ADL)の評価尺度です。主に、患者の生活自立度や治療効果、予後を評価する目的で使用されます。

KPSの特徴

  • 0~100点のスコアで評価します(100点: 正常な活動が可能、0点: 死亡)。
  • 主にがん患者や終末期患者に対して、治療やケアの計画を立てるために用いられます。
  • 予後の指標としても重要であり、特に緩和ケアや在宅医療で広く利用されています。

その他の選択肢

  1. Barthel Index
    主に高齢者や脳卒中患者のADLを評価する尺度で、食事や移動、排泄など10項目をスコア化します。がん患者専用ではないため、不正解です。
  2. FBS(Functional Balance Scale)
    平衡機能を評価する尺度で、バランス能力の評価に用いられます。がん患者の身体機能全般を評価するものではありません。不正解です。
  3. FIM(Functional Independence Measure)
    ADLや社会参加を評価する尺度で、特にリハビリテーションの分野で使用されます。がん患者の予後や治療評価には適していません。不正解です。
  4. mRS(modified Rankin Scale)
    脳卒中後の障害の程度を評価するための尺度です。がん患者の評価尺度ではありません。不正解です。

ワンポイントアドバイス

がん患者の身体機能評価では、KPS(Karnofsky performance scale)やECOG(Eastern Cooperative Oncology Group)スケールが代表的です。これらは予後や治療効果の評価にも直結するため、試験対策として確実に覚えておきましょう。また、他の評価尺度との用途の違いも整理しておくと有効です。