錐体路について誤っているのはどれか。
- 大脳の運動皮質から始まる。
- 大脳の基底核を経由する。
- 大脳脚を経由する。
- 大多数は延髄で交差する。
- 脊髄の前角でシナプスを形成する。
解答解説
正解は2です。
錐体路(皮質脊髄路)は、大脳皮質から始まり、脳幹を通過し、延髄で大多数の線維が交叉して反対側の脊髄に到達します。最終的に脊髄前角で下位運動ニューロンとシナプスを形成して筋収縮を指令します。基底核は運動の調整に関与しますが、錐体路の経路には含まれません。したがって、選択肢2は誤りです。
選択肢の解説
- 大脳の運動皮質から始まる。
正しい記述です。錐体路は大脳の運動皮質(一次運動野、補足運動野、前運動野)から始まり、随意運動を制御する主要な経路です。 - 大脳の基底核を経由する。
誤りです。 基底核は運動の調節や制御を行う中枢ですが、錐体路の経路には含まれません。基底核は、皮質-基底核-視床-皮質の回路として働き、運動のスムーズな調整を行います。 - 大脳脚を経由する。
正しい記述です。錐体路は中脳を通過する際、大脳脚を経由します。この構造は錐体路の経路上で重要なポイントです。 - 大多数は延髄で交差する。
正しい記述です。錐体路の約90%の線維は延髄の錐体交叉で反対側に交差し、左右の運動指令を交換します。残りの約10%は交叉せずに同側を下行します。 - 脊髄の前角でシナプスを形成する。
正しい記述です。錐体路は脊髄の前角に達し、下位運動ニューロンとシナプスを形成します。このシナプスを介して運動指令が筋肉に伝わります。
ワンポイントアドバイス
錐体路は、随意運動を司る主要な経路で、大脳皮質から始まり脊髄前角に至ります。ポイントは「錐体交叉での線維の交差」と「脊髄前角でのシナプス形成」です。基底核や小脳は調節系として働きますが、錐体路自体には含まれないことを理解しておきましょう。