第53回

第53回理学療法士国家試験 午前問題21

研究に関する用語と説明の組合せで正しいのはどれか。

  1. 母集団――実際の研究の対象となるもの
  2. 間隔尺度――重さ、長さ、時間などの物理量を表す尺度
  3. 名義尺度――大小関係や順序のような特徴を有する尺度
  4. 交絡因子――2つの変項の関連をかく乱する他の因子
  5. Likert尺度――階層性を持った質問などに対する回答についての比率尺度

解答解説

正解は4. 交絡因子――2つの変項の関連をかく乱する他の因子です。

解説

研究における交絡因子とは、独立変数と従属変数の間に関係があるかのように見せかける要因のことです。この因子を適切に制御することで、研究結果の信頼性を高めることができます。以下に各選択肢について解説します。

各選択肢の評価

  1. 母集団――実際の研究の対象となるもの
    母集団とは、研究対象となる全体の集団を指しますが、「実際の研究の対象」となるものは標本です。母集団と標本の区別が必要です。不正解です。
  2. 間隔尺度――重さ、長さ、時間などの物理量を表す尺度
    重さや長さ、時間は比率尺度に該当します。間隔尺度は温度(摂氏など)のように、絶対的なゼロ点がないものを指します。不正解です。
  3. 名義尺度――大小関係や順序のような特徴を有する尺度
    名義尺度はカテゴリーを分類するものであり、大小関係や順序は持ちません(例:血液型など)。大小や順序を持つのは順序尺度です。不正解です。
  4. 交絡因子――2つの変項の関連をかく乱する他の因子
    交絡因子は、独立変数と従属変数の間の因果関係を見えにくくする要因であり、説明は正しいです。正解です。
  5. Likert尺度――階層性を持った質問などに対する回答についての比率尺度
    Likert尺度は順序尺度であり、比率尺度ではありません。順序尺度とは「非常に同意する~全く同意しない」のように順序だけがある尺度です。不正解です。

ワンポイントアドバイス

研究における尺度(名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比率尺度)や、交絡因子などの用語は、研究デザインやデータ分析において重要です。それぞれの用語の意味と具体例を理解しておくことで、問題に対応しやすくなります。