第58回

第58回理学療法士国家試験 午後問題85

Ⅱ型呼吸不全では正常で、Ⅰ型呼吸不全で増加するのはどれか。

  1. 1秒率
  2. 肺活量
  3. 動脈血酸素分圧
  4. 動脈血二酸化炭素分圧
  5. 肺胞気-動脈血酸素分圧較差

解答解説

正解は5. 肺胞気-動脈血酸素分圧較差です。

Ⅰ型呼吸不全では肺胞-動脈間の酸素分圧較差(A-aDO2)が増加します。一方、Ⅱ型呼吸不全ではA-aDO2は通常正常範囲に収まります。

各選択肢の解説

  1. 1秒率
    この選択肢は誤りです。
    1秒率は閉塞性肺疾患で低下し、呼吸不全の分類には直接関与しません。
  2. 肺活量
    この選択肢は誤りです。
    肺活量は制限性肺疾患で低下しますが、Ⅰ型・Ⅱ型呼吸不全の区別には関与しません。
  3. 動脈血酸素分圧
    この選択肢は誤りです。
    動脈血酸素分圧(PaO2)はどちらの呼吸不全でも低下します。
  4. 動脈血二酸化炭素分圧
    この選択肢は誤りです。
    PaCO2はⅡ型呼吸不全で増加し、Ⅰ型呼吸不全では通常正常または低下します。
  5. 肺胞気-動脈血酸素分圧較差
    この選択肢が正解です。
    Ⅰ型呼吸不全では、ガス交換障害によりA-aDO2が増加します。

ワンポイントアドバイス

Ⅰ型呼吸不全(低酸素血症)とⅡ型呼吸不全(低酸素血症+高二酸化炭素血症)の違いを押さえ、A-aDO2がⅠ型で増加する理由を理解しておきましょう。