第58回

第58回理学療法士国家試験 午後問題32

骨壊死を合併しやすい骨折はどれか。

  1. 鎖骨遠位部骨折
  2. 上腕骨外科頸骨折
  3. 中手骨骨幹部骨折
  4. 大腿骨頸部骨折
  5. 膝蓋骨骨折

解答解説

正解は4. 大腿骨頸部骨折です。

大腿骨頸部は血流が乏しい部位であり、骨折によって血行障害が起こりやすいため、骨壊死のリスクが高いです。特に高齢者では骨粗鬆症の影響で発生しやすく、治療が遅れると関節機能に重大な影響を及ぼします。

各選択肢の解説

  1. 鎖骨遠位部骨折
    この選択肢は誤りです。
    鎖骨遠位部骨折は血流が豊富で、骨壊死を合併することは稀です。
  2. 上腕骨外科頸骨折
    この選択肢は誤りです。
    上腕骨外科頸は血流が比較的良好で、骨壊死のリスクは低いです。
  3. 中手骨骨幹部骨折
    この選択肢は誤りです。
    中手骨骨幹部骨折では血流が保たれるため、骨壊死を合併することは稀です。
  4. 大腿骨頸部骨折
    この選択肢が正解です。
    大腿骨頸部は血流供給が限られており、骨折による血行障害が骨壊死を引き起こしやすい部位です。
  5. 膝蓋骨骨折
    この選択肢は誤りです。
    膝蓋骨は血流が豊富で、骨壊死を合併することは稀です。

ワンポイントアドバイス

骨壊死のリスクが高い部位として、大腿骨頸部や手の舟状骨が挙げられます。これらは血流供給が乏しいため、治療が遅れると壊死が進行します。骨折の部位や血流供給の特徴を理解し、適切な管理ができる知識を身につけましょう。