85歳の女性。右大腿骨頸部骨折のため入院し、人工骨頭置換術を行った。医師の診療録には、術後の経過は順調であるが、重度の右耳難聴と中等度の認知症があるとの記載があった。
臨床実習での情報収集の方法として誤っているのはどれか。
- 情報収集は一方的に行う。
- 患者の左側から声をかける。
- 患者への質問事項は紙に書く。
- 家屋状況は同居家族からも聴取する。
- 生年月日は患者本人と診療録の両方で確認する。
解答解説
正解は 1.情報収集は一方的に行う です。
情報収集は患者との対話を通じて双方向で行うべきです。一方的な情報収集では患者の意向や状況を十分に把握できません。難聴や認知症がある場合でも、工夫した方法で患者の意思を確認する必要があります。
各選択肢の解説
- 情報収集は一方的に行う
この選択肢が正解です。
情報収集は患者の意向や反応を確認しながら進める必要があり、一方的に行うのは不適切です。 - 患者の左側から声をかける
この選択肢は正しいです。
難聴が右耳にある場合、聞こえやすい左側から声をかけるのは適切な対応です。 - 患者への質問事項は紙に書く
この選択肢は正しいです。
認知症や聴覚障害がある患者には、紙に質問事項を書いて確認することでコミュニケーションを補助できます。 - 家屋状況は同居家族からも聴取する
この選択肢は正しいです。
退院後の生活を考慮し、家族から家屋環境やサポート体制を聴取することは重要です。 - 生年月日は患者本人と診療録の両方で確認する
この選択肢は正しいです。
情報の正確性を確保するため、患者本人と診療録の両方から確認するのは適切です。
ワンポイントアドバイス
情報収集は患者との信頼関係を築く重要なプロセスです。患者の障害特性に応じたコミュニケーション方法を工夫し、聞き取れなかった部分は繰り返し確認する姿勢が必要です。また、患者の家族や医療記録から補足情報を得ることで、より正確な情報を収集できます。